こんにちは、ジクス工業です。
今回は、さまざまな分野で活用が広がる“カーボン”がどのような場面で
強みを発揮するのか、またカーボン材で代用することでどのようなメリットが
あるのかを解説します。
カーボンについて初めて知る方や、さらに詳しく知りたい方にも参考になる内容です。
この記事を通して「カーボン」が皆様の設計や開発における新たな選択肢となれば、
ぜひジクス工業にご相談ください。
最近、従来の金属材料の代替品としてカーボン材が多く使われています。
では、本当に金属の代わりになるのでしょうか?
金属と比べて、カーボンが優れているところ、強みをいくつか挙げてみましょう。
①軽量かつ高強度
カーボンは鉄の約4/1の軽さでありながら、強度は鉄の10倍程度にもなります。
②錆びや腐食に強い
カーボンは錆びることがなく腐食にも強いので、長時間の使用、過酷な環境下でも
劣化しにくいです。
③熱膨張係数が小さい
温度変化による寸法変化が少なく、精密部品などに適しています。
④振動減衰性に優れる
金属よりも振動を吸収しやすい特性があり、自動車やスポーツ用品など
振動抑制が求められる用途に適しています。
などなど…
まだまだあるのですが、これだけでも十分カーボンの強みが伝わったのではないでしょうか。
上記を踏まえて考えると、カーボンは金属の代用が可能であると分かります。
ですが、一概に全てが代用可能とは言えません。勿論、代用が出来ない場合もあります。
例えば…
①塑性変形が重要な用途
カーボンは塑性変形しないため、曲げたり伸ばしたりして形状を調整する必要がある部品や、
衝撃吸収を塑性変形で行う用途には不向きです。
②導電性や磁気特性が重要な用途
カーボンは導電性を持つ場合もありますが、金属ほどの高い導電性や磁気特性はありません。
そのため、電気回路の導体や強力な磁石としての用途には適しません
(ただし、カーボンを使った磁石の開発も進んでいますが、現状では金属磁石の完全な代替には至っていません)
③コストや量産性が重視される用途
カーボン材は製造コストが高く、量産性に課題があるため、コスト重視の大量生産品では
金属の方が適している場合があります。
カーボンは軽量・高強度・耐腐食性・高精度・設計自由度など多くの強みを持ち、さまざまな分野で
金属の代用が進んでいます。しかし、用途によっては金属の方が適している場合もあるため、
設計や用途に合わせて最適な素材を選ぶことが大切です。